校長室より 校長 大西 俊一

令和2年4月1日付で川之江高等学校の校長に着任いたしました大西俊一と申します。どうぞよろしくお願いいたします。川之江は私の父が少年期までを過ごした大西のルーツの町ですし、平成25、26年度には定時制課程の教頭を務めたこともあり、とても愛着を感じています。

創立112年を迎える県内有数の伝統校の校長として、誇りと責任感を持って努めてまいります。


2020.04.08 令和2年度入学式(全日制)式辞(PDFファイル:450KB)
2020.04.09 全日制対面式(PDFファイル:370KB)
2020.04.17 臨時休校についての生徒への呼びかけ(PDFファイル:360KB)
2020.04.28 休校中の生徒の皆さんに読んでもらいたいもの(PDFファイル:360KB)
2020.05.01 休校中の生徒の皆さんに読んでもらいたものPart2(PDFファイル:410KB)
2020.05.21 学校の完全再開について学校長より第一報(PDFファイル:320KB)
2020.06.02 生徒総会あいさつ(PDFファイル:380KB)
2020.06.02 家庭クラブ総会あいさつ(PDFファイル:350KB)
2020.07.31 1学期終業式式辞(PDFファイル:440KB)
2020.08.19 2学期始業式式辞(PDFファイル:440KB)
2020.09.04 進路のしおり巻頭言(PDFファイル:420KB)
2020.10.13 生徒会役員選挙あいさつ(PDFファイル:480KB)
2020.12.18 2学期終業式式辞(PDFファイル:380KB)
2021.01.08 3学期始業式式辞(PDFファイル:399KB) 
2021.03.01 全日制卒業式式辞(PDFファイル:171KB)


令和3年4月8日 全日制入学式式辞

 式   辞

 色鮮やかな新緑と温かな日差しに包まれ、春の香りが満ち溢れる春爛漫の今日の佳き日、御来賓並びに保護者の皆さまの御臨席を賜り、令和三年度愛媛県立川之江高等学校全日制課程入学式が挙行できますことは、この上ない喜びであり、深く感謝申し上げます。

  ただ今、入学を許可いたしました、181名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。川之江高等学校教職員、在校生を代表して、皆さんを心から歓迎いたします。

 昨年の2020年は、全世界にとって特別な年となり、学校現場にも大きな影響がありました。中学3年生だった皆さんは、部活動での努力の成果を発揮する大会やコンクールが中止になり、やりきれなさや喪失感を埋めるのは簡単ではなかったと察します。悔しさを胸の内にしまい、前を向くという強さを発揮するとともに、当たり前が当たり前ではなく、ありがたいことだったということに気づき、感謝することの大切さを学びました。

 合格発表の日に、皆さんが友達や御家族と歓声を上げて歓び合っていた時には、新年度は順調にスタートが切れるものと期待していました。四国中央市では幸い、ここしばらく感染者は確認されていませんが、愛媛県内においては、この1、2週間、変異株の感染拡大が続いており、本日から県内全域を最大警戒レベルの「感染対策期」に引き上げました。令和3年度のスタートも順調とは言えない状況にあります。しばらくウィズコロナの生活が続きますが、甘く考えず、冷静に「正しく恐れる」というスタンスで乗り越えていきましょう。

 さて、現代社会はグローバル化やデジタル化が進み、大きく変化しています。「予測が困難な時代」「答えのない時代」などと言われますが、社会の様々な課題に他社と協力して取り組む「協働する力」が求められる時代です。これから、さまざまな場で新たな出会いがあると思いますが、失敗を恐れず、より積極的に出会いを求め、その経験から人として成長してほしいと願います。出会いを生かすには、自分を信じ、かつ、出会った対象、「成功や勝利」もあれば「失敗や負け」「運、不運」もあるでしょう。そのすべてに真剣に向き合うことが重要です。

 コロナ禍での開催について、賛否様々な意見がある東京オリンピック・パラリンピックですが、数日前、奇跡とも言える感動的な話題が日本の空気を少しいい方向に変えてくれました。競泳女子の池江璃花子選手が、オリンピック代表選考会である日本選手権100mバタフライで優勝し、メドレーリレーのオリンピック代表に内定というニュースです。皆さんも知っている通り、池江選手は3年前の高校3年生の夏、ジャカルタ・アジア大会で6個の金メダルを獲得し、東京オリンピックでの活躍が期待されていましたが、卒業前の2月に「白血病」と診断され、自らツイッターで衝撃の告白をしました。気丈にも、「私は、神様は乗り越えられない試練は与えない、自分に乗り越えられない壁はないと思っています」と綴り、力強く「必ず戻ってきます」と宣言していました。その宣言の通り、復帰を果たし、そして、延期された東京大会の開会式のちょうど1年前に当たる7月23日に新国立競技場から世界へ向けて、メッセージを発信しました。約4分のピュアな内容の後半を引用します。入院中の医療スタッフへの感謝の思いを述べた後からです。

 「今から、1年後。オリンピックやパラリンピックができる世界になっていたら、どんなに素敵だろうと思います。今は、一喜一憂することも多い毎日ですが一日でも早く、平和な日常が戻ってきて欲しいと、心から願っています。スポーツは、人に勇気や、絆をくれるものだと思います。私も闘病中、仲間のアスリートの頑張りにたくさんの力をもらいました。今だって、そうです。練習でみんなに追いつけない。悔しい。そういう思いも含めて、前に進む力になっています。「TOKYO2020」。今日、ここから始まる1年を単なる1年の延期ではなく、「プラス1」と考える。それはとても、未来志向で前向きな考え方だと思いました。もちろん、世の中がこんな大変な時期に、スポーツの話をすること自体、否定的な声があることもよく分かります。ただ、一方で思うのは、逆境から這い上がっていく時には、どうしても、希望の力が必要だということです。希望が、遠くに輝いているからこそ、どんなにつらくても、前を向いて頑張れる。私の場合、もう一度プールに戻りたい。その一心でつらい治療を乗り越えることができました。世界中のアスリートと、そのアスリートから勇気をもらっているすべての人のために。1年後の今日、この場所で希望の炎が、輝いていて欲しいと思います」

 約9カ月前のメッセージです。1年延期という「プラス1」で代表内定にまで上り詰めたのです。感謝することの大切さ、「逆境を跳ね返す力」=レジリエンスを学びたいものです。「レジリエンス」という言葉を覚えておいてください。

 「思いは実現する」と言われます。これには、マイナスな思いやネガティブな考えも、その通りになってしまうという意味も含みます。ならば、池江選手のように、ポジティブに良い思いを抱きながら人に感謝して生きた方が良いに決まっています。「こうしたい」「こうありたい」とただ漠然と「願う」だけではなく、強く「思う」、良いイメージを具体的に持って「本気」になってください。

  本気ですれば 大抵のことはできます。

  本気ですれば 何でも面白くなります。

  本気でしていると 誰かが助けてくれます。

 そしてその先には、確かな成長を実感できる自分がいるはずです。

 私たち川之江高校教職員は、全力で皆さんを支え、希望の道へと導いていきます。「本気」「全力」「共感」そして「感謝」を合言葉として、ともに学び、成長していきましょう。

  最後になりましたが、保護者の皆様、本日は、お子様の御入学、誠におめでとうございます。これからの3年間は人生の中でも一番多感な時期であり、夢と希望を抱き、自分自身を見つめてこれから進むべき道を模索する大切な時期です。御家庭と学校が、子どもたちの成長を心から願う協働のパートナーとして力を合わせて進んでまいりましょう。文武両道の教育方針に沿った本校の教育活動に御理解をいただき、御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げ、式辞といたします。

     令和3年4月8日

              愛媛県立川之江高等学校長 大西 俊一

 

和3年4月8日 1学期始業式式辞

令和3年度1学期始業式(全日制)

 

 おはようございます。今日から令和3年度が始まります。

  2020年・令和2年度は、全世界にとって特別な年となり、学校現場にも大きな影響がありました。3学期終業式の時点では、春の甲子園が観客を入れて開幕されるということで、新年度はほぼ順調にスタートが切れるものと期待していました。ところが、松山の高等学校でクラスターが発生するなど、この1、2週間、変異株の感染拡大が続いています。本日から、県内全域を最大警戒レベルの「感染対策期」に引き上げられました。四国中央市は幸い、ここしばらく感染者は確認されていませんが、東予地域にも変異株の感染が広がっています。感染率が従来株の1.7倍と伝えられています。一度ウィルスが学校内に持ち込まれると、2倍、4倍、8倍、16倍・・・と拡がります。一人一人が正しく感染防止対策をとるということが大切になります。「自分がウィルスを持っているかもしれない」という意識をもって、周囲を思いやる気持ちで生活してください。昨年度のような大会中止に至らない段階で何としても食い止めなければなりません。甘く考えず、冷静に「正しく恐れる」というスタンスで乗り越えましょう。

 具体的に次の2つを確認します。

 ・校内外を問わず、感染リスクの高い行動を絶対にとらないこと

 ・少なくとも2週間は絶対に密になる場所へ行くことがないようにすること

 さて、21世紀は「予測が困難な時代」「答えのない時代」などと言われますが、今回のコロナ対応のように、社会の様々な課題に他者と協力して取り組む「協働する力」が求められる時代です。学年が1つ上がりました。新入生も午後、入学式を迎えます。新しい先生、クラスメート、後輩とさまざまな場で新たな出会いがあり、新たな経験を積むと思いますが、失敗を恐れず、より積極的に出会いを求め、経験から学びながら、人として成長してほしいと願います。出会いを生かすには、自分を信じ、かつ、出会った対象、「成功や勝利」もあれば「失敗や負け」「運、不運」もあるでしょう。そのすべてに真剣に向き合うことが重要であり、しなやかな強さを身に着けるカギになると思います。

 コロナ禍での開催について、賛否様々な意見がある東京オリンピック・パラリンピックですが、数日前、奇跡とも言える感動的な話題が日本の空気を少しいい方に変えてくれました。競泳女子の池江璃花子選手が、オリンピック代表選考会である日本選手権百Ⅿバタフライで優勝し、メドレーリレーのオリンピック代表に内定というニュースです。昨年度の夏休み前、1学期終業式で、延期された東京大会の開会式のちょうど1年前に当たる7月23日に、池江選手が新国立競技場から世界へ向けてメッセージを発信したことを紹介しました。その約4分のピュアな内容の後半部分を引用します。

 入院中の医療スタッフへの「感謝」の思いを前半で述べた後に、「今から、1年後。オリンピックやパラリンピックができる世界になっていたら、どんなに素敵だろうと思います。今は、一喜一憂することも多い毎日ですが一日でも早く、平和な日常が戻ってきて欲しいと、心から願っています。スポーツは、人に勇気や、絆をくれるものだと思います。私も闘病中、仲間のアスリートの頑張りにたくさんの力をもらいました。今だって、そうです。練習でみんなに追いつけない。悔しい。そういう思いも含めて、前に進む力になっています。「TOKYO2020」。今日、ここから始まる1年を単なる1年の延期ではなく、「プラス1」と考える。それはとても、未来志向で前向きな考え方だと思いました。もちろん、世の中がこんな大変な時期に、スポーツの話をすること自体、否定的な声があることもよく分かります。ただ、一方で思うのは、逆境から這い上がっていく時には、どうしても、希望の力が必要だということです。希望が、遠くに輝いているからこそ、どんなにつらくても、前を向いて頑張れる。私の場合、もう一度プールに戻りたい。その一心でつらい治療を乗り越えることができました。世界中のアスリートと、そのアスリートから勇気をもらっているすべての人のために。一年後の今日、この場所で希望の炎が、輝いていて欲しいと思います」

 約9カ月前のメッセージです。1年延期という「プラス1」で代表内定にまで上り詰めたのです。「感謝」することの大切さ、「逆境を跳ね返す力」=「レジリエンス」を学びとりたいものです。

 「思いは実現する」と言われます。これには、マイナスな思いやネガティブな考えも、その通りになってしまうという意味も含みます。ならば、池江選手のように、ポジティブに良い思いを抱きながら、人に感謝して生きた方が良いに決まっています。「こうしたい」「こうありたい」とただ漠然と「願う」だけではなく、強く「思う」、良いイメージを具体的に持って「本気」になってください。「全力」を尽くしてください。

 令和3年度は、「本気」「全力」「共感」そして「感謝」を合言葉として、ともに学び、ともに成長していきたいと思います。

 自分の可能性を信じ、先生方を信じ、仲間を信じ、まずは1学期、力強く前進していきましょう。

 

令和3年3月19日 3学期終業式式辞

  おはようございます。

 「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」と言われる通り、あっという間の3学期で、新型コロナに翻弄された1年間でしたが、首都圏の1都3県の緊急自治宣言が解除されないまま令和2年度の終業式を迎えました。

 3月1日の卒業式は、昨年度同様、在校生の出席は叶いませんでしたが、井原颯太生徒会長が代表して、卒業生へのあこがれや尊敬の気持ちを熱く表現してくれ、本当にすばらしい雰囲気で3年生を送り出すことができました。

 そして、国公立大学進学を目指す3年生は、卒業式後も制服を着て、勉強をしに、また、受験結果の報告にきてくれました。最後まで「本気」で「全力」で頑張っている姿や合格の喜びを語ってくれるその素直さ・謙虚さに頭が下がりました。

 昨日、高校入試の合格発表がありましたね。皆さんの後輩となる新1年生が保護者や友達と歓声を上げ、喜び会っていました。皆さん1人1人が、これからの1年を「本気」で「全力」で学習や部活動、学校行事取り組み、卒業生同様、川之江高校への入学に期待を膨らませているかわいい後輩達のあこがれの存在になってくれることを願います。

 さて、高校入試1日目の3月11日は、3.11東日本大震災からちょうど10年ということもあって、ニュースや報道番組で当時の巨大津波の映像が生々しく流れたと思います。被災地から遠く離れた四国は直接的な被害や影響はなかったのですが、近い将来起こるであろう南海トラフ巨大地震に備えようという機運が高まりつつあった時期で、テレビを通して目に入るあの津波による被害の凄まじさに、私たちは言葉を失いました。10年前の震災当時、皆さんは小学校の低学年だったと思いますが、当時の記憶、10年後に見る映像、何か感じることはありましたか。私は、復興への道のり、今だから語れる絶望や希望の数々を聞くと、歳をとったのか、いつも涙があふれます。震災当時、私の次男は防衛大学校の3年生でした。先輩である4年生の卒業式では、卒業生全員が退場前に帽子を高く舞い上げるという恒例の帽子投げは被災者に配慮して自粛したそうです。4年生に進級してからの春以降は、卒業した2つ上、3つ上の先輩達が実際に被災地支援に従事した様子や感じたことなどがリアルに耳に入ってきたらしく、自衛官の誇りと覚悟を強くしたようで、父親の私の目にも、明らかに顔つきと姿勢が凛々しくなり、精神的な成長を強く感じたことを記憶しています。また、自衛官のみならず、全国の警察、消防といった所謂『公務員』が被災地支援の現場で本気で全力で活躍する報道に触れて、教員・教育公務員である私自身も、「本気」スイッチが刺激されました。

 実際、10年前、「日本人の精神性の高さ」=あんな状況でもパニックにならない。苦しみや悲しみを押し殺して、いい意味で観念すると言うか、受け入れる。周りに気遣いして勝手な行動をせず、秩序が保てる。海外ではよく起こる略奪はほとんどないといった「精神性の高さ」と、「頑張るしかないもんね!」って笑顔でポジティブな表現ができる「芯の強さ」に対して、世界中から驚きを持って評価されました。日本人の持つ「おかげさまの精神」、大自然や神仏に対する「畏敬の念」(畏れ敬う心)は、稲作などを通して、自然とともに生きてきた中で心の奥底(魂とでも言えるかなと思うのですが)に刻まれてきた精神なんだろうと思います。すばらしい世界に誇れる感性だと思います。

 ところが、新型コロナに翻弄されたこの1年は、感染者や医療従事者への誹謗中傷、「自粛警察」と呼ばれる他者批判などの課題が指摘されました。正義感や生真面目さが過ぎて、誤った方向に作用してしまいました。「コロナよりも怖いのは人間だった」との教訓を忘れずに、「withコロナ」の生活をもうしばらく冷静に続けていきましょう。

 最後に、1年生には入学式で、2年生には始業式で紹介した詩を改めて伝えます。 

 

 本気ですれば たいていのことはできる

 本気ですれば なんでも面白い

 本気でしていると 誰かがたすけてくれる

 

 社会教育学者である後藤静香の「本気」という詩の前半部分です。

 この1年、心から面白いと感じながら取り組めたことはありましたか。

 誰かが助けてくれて、心から「ありがたい」と感じたことはありましたか。

 私は、川之江高校校長の仕事、面白かったです。生徒諸君、先生方、保護者の皆さん、OBの皆さんにたくさん助けてもらいました。反省点や課題もありますので、まだまだ私自身の「本気」が足りなかったとも感じています。

 今日の終業式をまた新たなスタートに向けたきっかけとして、4月からの令和3年度は、「本気」「全力」を合言葉に、互いに助け合い、面白さや楽しさを感じられる毎日となることを願い終業式のことばとします。