NIE活動とは…
”Newspaper in Education(教育に新聞を)”の略で、学校などで新聞を教材として活用することを指します。教育界と新聞界が協力し、社会性豊かな青少年の育成や活字文化と民主主義社会の発展などを目的に掲げて、全国で展開されています。


本校は、日本新聞協会の2016・2017年度NIE推進事業の実践指定校となっていました。

本校では、2016年9月から6種類の新聞を購読し、校内にNIEコーナーを設け、自由に新聞を閲覧したり、記事を活用できるようにしているとともに、一部の授業で活用しています。

このうち2年生の現代社会の授業における新聞記事を活用した授業については、2016年11月1日付愛媛新聞第21面の中で紹介されました。

 
(記事掲載許可番号:G20171201-03537)

日本新聞協会主催の第7回「いっしょに読もう!新聞コンクール」の高校・高等専門学校部門において、本校は学校奨励賞を受賞し、個人でも2年脇さんと3年曽我部君が奨励賞を受賞しました。

(記事掲載許可番号:G20171201-03541)

 

平成29年度 NIE実践 川之江高校 研究テーマ

「新聞を通して問題に気づき、より良い社会の創造に向けて活動できる生徒の育成 ~『意見を書く』 『比較する』活動を中心に」

研究の仮説

(1)「記事に関して、自らの意見を書く」活動を充実させれば

①自らの物の見方・考え方を発見(明確化・創造)することができるだろう。

【思考力・判断力・表現力の育成】

②新聞記事特有の表現方法を学び、論理的な文章の書き方ができるようになるだろう。

【知識・技能の習得】 【表現力の育成】

③社会問題に対する興味・関心を持ち、主体的な学びを通して、将来の進路実現のために行動できるようになるだろう。

【学びに向かう力・人間性の涵養】

(2)「記事を用いて、比較する」活動を充実させれば

①新聞の社会的役割を理解する中で、メディアリテラシー(情報を学び取る力)が伸長するだろう。

【知識・技能の習得】 【思考力・判断力の育成】

②対話的な学びを通し、物の見方・考え方を深化(明確化・創造・習性・改善)させることができるだろう。

【思考力・判断力・表現力の育成】

③情報感度が上がり、社会についての問題を発見し考察して、深い学びにつなげることができるだろう。

【学びに向かう力・人間性の涵養】

★この(1)、(2)の仮説が実証されるならば、「新聞を通して、問題に気づき、よりよい社会の創造に向けて活動できる生徒の育成」ができるだろう。

 

活動報告

2018年1月20日(土)に、愛媛県PTA会館で開催された「第14回県NIEセミナー」において、本校の合田教諭が、NIE実践指定校としての取り組みについての活動報告を行いました。

本校の活動報告の概要

本校の今年度の研究テーマ
「新聞を通して問題に気づき、よりよい社会の創造に向けて活動できる生徒の育成~『意見を書く』『比較する』活動を中心に~」

研究の仮説

(1)「記事に関して、自らの意見を書く」活動を充実させれば、自らの物の見方・考え方を発見(明確化・創造)すること、新聞記事特有の表現方法に習って論理的な文章を書くこと、社会問題に対する興味・関心を持って主体的な学びを行い将来の進路実現のために行動することができるようになるだろう。
 (2)「記事を用いて、比較する」活動を充実させれば、新聞の社会的役割を理解する中で、メディアリテラシー(情報を正しく選び取る力)を伸長させ、対話的な学びを通し、物の見方・考え方を深化(明確化・創造・修正・改善)させること、情報感度を上げ、社会についての問題を発見し考察して、深い学びにつなげることができるだろう。
この(1)、(2)の仮説が実証されるならば、「新聞を通して問題に気づき、よりよい社会の創造に向けて活動できる生徒の育成」ができるだろう。

授業実践

① 地歴・公民科の取組事例(2年生「政治・経済」)
② 家庭科の取組事例(3年生「子供の発達と保育」)
③ 国語科の取組事例(3年生「現代文B」)
④ HR活動における取組事例(1・2年生「主権者教育」)
  (1年生「人権・同和教育HR活動において」)
⑤ 総合的な学習の時間の取組事例
  (1年生「NIE・新聞教育~新聞というメディアについて知ろう~」)
  (2年生「新聞記事の要約」「まわし読み新聞」)

 (記事掲載許可番号:G20180501-04966)

取り組みの成果

・「新聞記事を読んで意見を書く」ことを通して、社会問題に気づき、自らの見方、考え方を発見する力を身につけることができた。
・一つの新聞の中での同日の記事の取り上げられ方の比較、一つの新聞の中での他日との記事の取り上げられ方の比較、多数の新聞での記事の取り上げられ方の比較、新聞とテレビ・インターネット等他のメディアとの比較、生徒自身と他の生徒たちの意見の比較等の活動によって、生徒のメディア・リテラシーの向上や、社会問題に対する意識の高まり、物の見方や考え方の深化等の変化が生まれた。

「比較する」活動を終えた生徒の感想の一部
・自分はけっこう信じてしまう方なので、すぐに聞いたことを信用するのではなくて、複数のメディアを見たりして本当がどうか見極めたいです。
・インターネットの情報は手軽ですが、それと同時に信憑性に欠けるところもあります。このことを肝に銘じ、情報と正しく向き合っていきたいです。
・ネット記事を読むことが多い生活をしているけれど、基本、疑ってみています。今でも画像を似せてだます人がいるので、その点、新聞などの方がやっぱり安心だと思いました。
・基本は、私もニュースを見て、情報を収集するのが好きなので、フェイクニュースにだまされないように、メディアミックスしていこうと思いました。
・新聞社によって、伝えたい内容が異なってくるので、いろんな記者のニュースを読むことで、もっと政治についてわかると思った。
・新聞によって、同じ日でも書いている内容が大幅に違ったり、記者の考えによる目立たせたい所の違いがあることがわかりました。また、本当かどうか、見極める力をつけていかなければいけないなと思いました。

3学期の予定

・新聞を用いた学習を引き続き行い、生徒らにどのような力が付いたのかを分析する。

成果と今後の課題等

・川之江高校では、 「よりよい社会の創造に向けて活動できる生徒」の育成を目指し、NIEの活動を進めてきた。この活動は、生徒の視野を広げ、進路意識を高めることに役立っている。
・今後の課題は、「生徒自身が社会問題について、当事者意識を持ち、社会のために自ら行動できること」である。
・今後も新聞を取り入れた活動を継続的に行い、生徒の物の見方や考え方を広げ、社会のために何ができるか、今後は行動につなげることができるような取組を考えていきたい。